綺の家ノート Kinoya note

キノヤの家づくり   「 構造材 」

家づくりにおいて
家の“強さ”を決める要となる構造材。

構造材は完成後に隠れてしまうため、住まい手が確認しにくい部分です。
だからこそ、施工者の姿勢・材料の選び方がそのまま家の質に現れます。
家づくりの第一歩として
どんな材料が使われているのかしっかりと見極める事はとても大切なこと。

私たちは接着剤で貼り合わせた集成構造材は使用しません。
なぜなら接着剤の寿命が家の寿命につながってしまうからです。

キノヤが使用する構造材は天竜の山で育った天竜木材を天然乾燥したもの。
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機械で一気に乾かすのではなく
木が育ってきたのと同じように、風と太陽にゆっくり身を委ねてもらう。
人工乾燥材に比べ手間も時間かかりますが
その分天然乾燥材は細胞を壊さずに乾かすため
曲げやねじれに強く、構造材としての耐久性が高いことが特徴です。
地震の多い日本で、家の“骨組み”が健やかであることは、何よりの安心につながります。


今日、何でも工場で大量生産される時代ですが
木材も同じく機械で早く乾かし、扱いやすく規格化することが優先されがちです。
しかしそれは「効率のための都合」であり、必ずしも家や人のための選択とは考えません。
人工乾燥のように機械で一気に乾かす方法では
木が本来もつ細胞を壊しやすく、耐久性も落ちてしまいます。

短期的には安く見えても、修繕費や建物の寿命を考えると
結果として高くつくことも多いのです。

例えるなら、ワインや味噌がゆっくり熟成することで深い風味を帯びていくように
木も時間をかけて乾くほど本来の強さを保ちます。
急いで仕上げたものと、時間が育てたもの。
どちらが長く寄り添ってくれるかは、きっと想像していただけると思います。
家もまた「じっくり手間をかける価値」があるものだと、私たちは考えています。

 



 

そして、天竜の木材を使う理由は
気候が同じ環境で育った木は、家になってからも安定しやすいから。

木は生きてきた環境に“体質”が染み込んでいます。
湿度の高い地域で育った木は湿気に強く
乾燥した地域の木は乾燥に強い。

つまり、その土地の気候に合った木を使うほど
反り・割れ・ねじれが出にくく構造材として安定します。

「地産地消の木=その土地の家づくりにもっとも素直に馴染む木」です。

見えないところほど誠実に
安心して長く暮らすための家づくりをしています。